「夏期労働災害防止強調運動」('04 夏)
各地で工夫をこらした活動を展開
当協会では、陸運業の第10次労働災害防止計画(平成15年度〜19年度)により、計画期間中に、年
間の死亡者数が200人を下回ることの実現をめざし取組んでいますが、平成15年の死亡者数は、昨年
6月以降高速道路における多重衝突事故が相次いで発生したことなどにより、前年を7名上回る241
名となりました。
平成16年度夏期強調運動は、『過労運転 絶対しません させません』をスローガンに、昨年に引
き続き過労運転による交通労働災害防止を重点として、7月を中心に各地で一斉に多彩な活動が展開
されました。
特に死亡災害の増加が懸念される支部を夏期強調運動支援支部として、運動期間中、本部・支部
が一体となった取組みを強めました。これらの支部においては、支部に設置された「モデル事業場
制度」や「交通労働災害防止事例研究会」において、死亡事故が増加する背景要因の分析や交通労
働災害防止のためのリスクアセスメントを実施し、今後の効果的な事故・災害防止対策の実施に役立
てる取組みを進めました。
また、死亡災害の増加が著しい北海道、宮城、静岡、愛知、広島、福岡などの道県では、労働局
が緊急対策を実施し、各災害防止団体等に対し対策実施の要請が行われました。
各都道府県支部では、これらの緊急要請に応じて、対策要綱を作成し、工夫をこらした活動を展
開しました。
〔死亡事故背景要因の分析〕
死亡災害の減少を図るためには、どのような事業場でどのような原因で事故が発生しているのか、
特に交通事故の場合は過労運転の要素の有無等を総合的に明らかにし、陸災防支部・分会の関係者
が一致した認識のもとに今後の対策を立てる必要があります。このため、夏期強調運動支援支部に
おいては、当協会の安全管理士の指導援助のもと、「モデル事業場制度」や「交通労働災害防止事例研
究会」において「死亡事故背景要因分析シート」を用いて分析資料を取りまとめ、対策を検討しま
した。
ある支部では、平成15年の交通労働災害についての分析結果では、7割以上が追突、自損事故な
ど、自分の側に責任のあるものであり、また、事故原因の背景には無理な運行計画によるスピード
の出し過ぎや疲労、居眠り等安全管理に問題が認められるものなどがかなり見られました。
このことから、適切な運転時間を設定した運行計画の作成とこれに基づく安全運転指示の徹底、
交通KYTや添乗教育などの重要性が一層浮き彫りになっています。
当協会では、「交通安全運転マップ」を活用したこれらの交通労働災害防止対策を推進していると
ころですが、こうした取組みが一層重要となっています。
〔労働局の緊急要請に呼応した取組み〕
@「交通事故・労働災害防止安全大会」を各地区で開催(北海道支部)
陸災防北海道支部では、平成16年に入り陸運業の死亡災害が多発し、休業災害(4日以上)も増
加している中で、労働局より労働災害防止対策の推進を図るよう緊急要請があったことを受け、各
分会長あてに、経営首脳が先頭に立った組織的、計画的な労働災害防止対策の推進や、「交通労働災
害防止のためのガイドライン」の周知徹底などを内容とする緊急対策の要請を行いました。
これを受けて、6地区の分会で延べ700名を超える多数の事業主や従業員の皆さんの参加のもと、
地区トラック協会との共催により、工夫をこらした「交通事故・労働災害防止安全大会」(写真)を
開催しました。
【労働局の緊急要請に呼応した取り組み】
@「交通事故・労働災害防止大会」を各地区で開催(北海道支部)
陸災防北海道支部では、平成16年に入り陸運業の死
これを受けて、6地区の分会で延べ700名を超える多
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岩見沢分会 旭川分会 |
A「死亡災害撲滅安全衛生総点検運動」の展開(福岡県支部)
福岡県支部は、県内の平成15年における死亡者数(全産業)が2年連続して2桁の大幅な増加となったことか
また、7月には、福岡労働局主催で、「災害事例研究会」(写真)が実施され、これには事故発生事業場の |
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策を立てるため、グループ討議により、4段階方式に よる災害事例研究の手順(災害状況の把握・事実の確 認、問題点の発見、災害原因の決定、対策の樹立)に したがって進められました。死亡事故という痛ましい 事例だけに真剣な議論となり、参加者の多くは、初め ての経験でしたが、アンケートの結果をみると、今後 の交通労働災害防止対策に役立てたいとの回答が多く みられました。 (福岡県支部)→ |
B「チャレンジU(アンダー)80運動」に呼応したリーフレットの配布(愛知県支部)
愛知県支部では、愛知労働局が県下の各災害防止団
裏面には平成15年中に発生した貨物運送業の交通事
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以上 協会誌「陸運と安全衛生」 平成16年10月号より。