第37回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会
会長挨拶
本日ここに、「第37回全国陸上貨物運送事業労働災害防止大会」を開催するに当たり、一言、ご挨拶を申し上げます。
今大会は、日本のシンボル富士を間近に仰ぐ、ご当地静岡で開催しましたところ、皆様方には、ご多用のところ、地元はもとより、全国各地から多数のご参加をいただき、本大会を、このように盛大に開催することができましたことに対し、先ずもって、厚く御礼申し上げます。
ご参集の皆様方の労働災害防止に寄せる、並々ならぬ思いに接し、主催者として非常に心強く存ずる次第であります。
また、本大会には、厚生労働省労働基準局 播部長、国土交通省中部運輸局 津野田局長、警察庁関東管区警察局 大園部長、
そして地元静岡県から、鈴木副知事のご来臨をいただき、ご祝辞を賜りますことを光栄に存じ、厚く御礼を申し上げます。
さらに、労働災害の防止に顕著なご功績をあげられ、後程、表彰を受けられる数多くの事業場、団体並びに個人の皆様方には、
これ迄のたゆまぬご努力、ご精進に対し、深く敬意を表しますとともに、今後益々のご活躍を祈念申し上げます。
さて、陸運業における労働災害の発生状況について申し上げますと、平成12年は、関係各位の不断の努力にもかかわらず、
死亡災害、死傷災害とも前年を上回り、特に、死傷災害では、他の全ての業種が前年に比べ減少した中で、陸上貨物運送事業のみが
唯一増加するという憂慮すべき結果となりました。
また、今年の状況について申し上げますと、死亡災害は、9月末で172人と、前年に比べ22人、率にして11.3%の減少を見ましたが、死傷災害については、8月末で6,946人と、前年比429人、6.6%増加しております。
当協会では、これらのことを真摯に受け止め、本年度の事業計画におきましては、国が策定した「第9次労働災害防止5か年計画」の
主旨に沿った事業運営を基本に、「経営首脳が先頭に立った安全衛生管理活動の積極的な推進」、「荷役運搬作業の安全化対策の推進」、及び「交通労働災害の防止」を「主要対策」として掲げ、強力に推進しております。
とりわけ、死亡災害をなくすため、「陸災防・死亡災害絶滅チャレンジ00(ゼロゼロ)運動」や厚生労働省からの委託事業「交通労働災害防止対策推進事業」等については、本部、支部、そして会員が一体となって展開しているところであります。
また、これから年末年始を迎え、災害の増加が懸念されるところであり、「年末・年始労働災害防止強調運動」を強力に展開していく
こととしております。
ところで、昨今の陸運業界を取り巻く環境をみますと、輸送需要の低迷や物流ニーズの多様化が進む中で、地球環境問題への対応や物流効率化対策、規制緩和対策等、様々な課題が山積し、厳しい経営環境にあります。こうした諸環境を踏まえつつも、労働災害を防止し、働く人々の安全と健康を確保していくことは、21世紀の陸運業界の発展のために、業界あげて取り組まなければならない最重要課題であります。
私ども陸運労災防止協会は、労働災害の防止を通じて陸運業界の発展に寄与しているところであり、労働災害ゼロを目指して更なる対策に取り組んでいくこととしております。
本日ご参集の皆様方におかれましても、これまで以上に充実した実効ある労働災害防止活動を展開されますようお願い申し上げる
次第であります。
激動する内外情勢の下、厳しい対応を迫られている昨今ではありますが、来賓各位におかれましては、今後とも一層のご指導、ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げますとともに、本大会にご参加の皆様方の益々のご健勝とご活躍、さらには、陸運業界の発展を心から祈念し、大会開催に大変ご苦労をいただいた静岡県支部をはじめ、関係者の方々に感謝申し上げ、私の挨拶とさせていただきます。
平成13年11月15日
陸上貨物運送事業労働災害防止協会
会 長 濱 中 昭 一 郎