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新しい年を迎えて

陸上貨物運送事業労働災害防止協会会長   川合正矩

  新年おめでとうございます。
 平成30年の新春に当たり、日頃から労働災害防止活動にご尽力いただいている会員事業場の皆様をはじめ関係の方々に心から感謝申し上げます。

 さて、陸運業における労働災害による死亡者数は、平成29年12月現在速報値(平成29年1月〜11月)では前年同期に比べ23.0%と大幅に増加しました。その内訳は、交通事故によるものが46.2%と半数近くを占め、主に荷役作業に関係する、墜落・転落災害が17.6%、はさまれ・巻き込まれ災害が15.4%と続いています。
 一方、休業4日以上の死傷者数は、平成27年それまでの増加傾向に歯止めがかかったところですが、平成28年再び増加に転じ、平成29年も12月現在速報値(平成29年1月〜11月)では、4.7%の増加となっており、増加傾向が続いています。
 本年は、新たな第13次労働災害防止5か年計画(以下「13次防」といいます。)の初年度であります。現在、厚生労働省で検討されている13次防(案)では、死亡災害については15%以上の減少を、死傷災害については5%以上の減少、さらに死傷年千人率5%以上の減少が計画目標とされています。
 このため、上記のような労働災害発生状況を踏まえ、本部・支部、会員事業者が一体となって、計画的・継続的な安全衛生活動を推進し、死亡災害については、交通労働災害の防止及び墜落・転落やはさまれ・巻き込まれ等荷役関係災害の防止、死傷災害については、荷役関係災害の防止を最優先に、総力を挙げて取り組むこととしております。
 具体的には、平成30年は次の取組を重点として行うこととしています。

 第一は、荷主等と連携した荷役災害防止対策の強化です。
 陸運業の死傷災害の多くを占める荷役災害が、荷主等の構内で多く発生していることから、荷主等と連携した荷役災害防止対策の推進が必要であるとして、平成25年厚生労働省から「陸上貨物運送事業における荷役作業の安全対策ガイドライン」(以下「荷役ガイドライン」といいます。)が示されました。
 昨年は、荷役ガイドラインの周知に努めるとともに、労働災害が増加傾向にあるロールボックスパレット作業に対する安全教育を全国47支部で実施いたしました。今年は、これに加え、ロールボックスパレット作業にも関連するテールゲートリフター作業をはじめ、会員ニーズに対応した安全教育を進めてまいります。

 第二は、交通労働災害等の防止です。
 労働災害による死亡者数の約半分は、依然として交通事故によるものです。また、陸運業では、高年齢自動車運転者の割合が高くなっており、年齢とともに心身機能の変化も見られ、高年齢者ほど労働災害にあうリスクが高いということがあります。
 このため、交通労働災害防止のためのガイドラインに基づく取組を進めるとともに、当協会が取りまとめた「高年齢者に配慮した交通・荷役災害防止の手引き」(図書)等も活用しながら、交通労働災害の防止を推進してまいります。
 
 第三は、健康確保対策の推進です。
 陸運業の健康診断における有所見者数の割合は、他業種に比し高い水準にあり、さらに脳・心臓疾患による労災認定件数は、業種別で最も多く、また、精神障害等の認定件数も、上位にあります。
 こうした状況を踏まえ、過労死等の大幅減少を目指し、昨年に引き続き、「過労死等防止・健康起因事故防止セミナー」を全日本トラック協会等関係機関と連携の上開催することを調整中です。また、ストレスチェックの実施とその結果に基づくメンタルヘルス対策を一層推進します。

 第四は、フォークリフト荷役技能検定制度の本格的な実施を図ることです。
 フォークリフト運転者の安全・正確・迅速な荷役作業の技能を評価し認定する本検定は、技能の向上を通じて労働災害の防止に寄与することはもとより、フォークリフトに係る事故全般の減少につながる有効な制度であります。本検定の意義が陸運業のみならず製造業や流通業等フォークリフト荷役作業を行うすべての事業者に理解されるよう、周知に努めてまいります。
 昨年は、10月に初めて1級検定試験を全国13か所で実施するとともに、2級検定試験を全国11か所で実施しました。本年は、3月に初めてリーチフォークリフト2級検定試験を実施いたします。また、昨年同様、1級検定試験及び2級検定試験を実施するなど、本検定制度の積極的な推進及び拡充を図ってまいります。

 陸運業界は従業員の高齢化、人手不足など多くの課題を抱え、厳しい経営環境にありますが、働く方々が健康で、安全に働くことができる労働環境の改善と、経営トップが先頭に立った積極的な安全衛生活動の推進が何より重要です。
 会員事業場の皆様には、当協会の活動に引き続きのご理解とご尽力を賜りますようお願い申し上げますとともに、「年末・年始労働災害防止強調運動」(12月1日〜1月31日)が実施されておりますこの時期に、「職場の安全衛生自主点検」の実施など労働災害防止の取組になお一層のご高配を賜りますよう重ねてお願い申し上げます。

 この一年が希望と活力に溢れる良き年となりますよう祈念いたしますとともに、皆様方のご健勝とご発展をお祈り申し上げ、新年のご挨拶とさせていただきます。

 

 

 ・ 【年頭所感】厚生労働省労働基準局長

 ・ 【年頭所感厚生労働省労働基準局安全衛生部長

  【年頭挨拶】警察庁交通局長