厚生労働大臣が重大災害等の防止を緊急要請
−重大災害の増加等に伴う業界団体等に対する厚生労働大臣緊急要請−



 近年、重大災害が増加傾向にあり、本年に入っても、先々月のJR西日本の脱線事故をはじめとする災害が相次いでいることから、6月1日から始まる全国安全週間の準備期間の機会を捉え、重大災害の増加に歯止めをかけることを目的として、当協会を含む業界団体等に対し、厚生労働大臣から緊急要請が発出されました。
 以下は6月13日、厚生労働省労働基準局会議室において、厚生労働大臣から当協会他の関係団体からの出席者を前に、要請された内容です。

 

 

 

重大災害の増加に伴う緊急要請


 我が国における労働災害は、死亡災害、死傷災害ともに長期的には減少しているが、今なお、54万人余りの方々が被災し、1600人を超える方々の尊い命が失われている。
 また、一度に3人以上が被災する重大災害の発生件数については、昭和60年以降、増加傾向にあり、平成16年は昭和60年の2倍近い件数に及び、本年に入っても昨年を上回る状況にある。
 このような重大災害の多発をはじめとする状況は、遺憾に堪えないものであり、人命尊重の立場からも、産業の健全な発展の観点からも看過し得ないものである。
 

 厚生労働省においては、従来より、労働災害の防止を最重要課題として行政の運営に取り組んできたところであり、法令の整備はもとより、トップ自らによる率先した安全管理をはじめとるする事業者の自主的な取組みを促進するための様々な施策の展開を図ってきたところであるが、本年4月、JR西日本福知山線において100名を超える方々が亡くなり、500名を超える方々が負傷されるというきわめて甚大な列車脱線事故が発生するなど、重大災害が相次いでいる状況にある。
 各事業場のトップは、経済情勢が厳しく、企業間競争の激化、コスト削減が進められる中にあっても労働者の安全と健康の確保が何よりも大切であるということを今般の事故を契機として改めて認識し、重大災害をはじめとする労働災害の防止に取り組む必要がある。
 

 私としては、このような問題意識のもと、各業界、企業においては、以下のような考え方に基づき、安全衛生活動を進める必要があると考えている。

1 労働者の安全と健康の確保は、企業経営における最重要事項であり、各企業においては、経営トップ自らが先頭に立ち、強いリーダーシップを発揮し、率先して安全衛生活動に取り組む必要があること。

2 経営トップは、安全衛生の方針を抽象的なものではなく、実効性の高いものとするとともに、労働者一人ひとりにまで周知し、その方針のもと、労使が一丸となって安全衛生に関する問題に取り組み、「労働者の安全と健康を最優先する企業文化」 を確立することが重要であること。

 関係各位におかれては、私の問題意識や考え方を十分ご認識いただき、今一度原点に立ち返り、安全衛生管理のあり方を見直した上で、必要に応じ、労働災害に関する高い専門的知見を有する労働災害防止団体とも十分に連携をとり、それぞれの業界、企業、事業場の実態を踏まえた必要な大差宇を講じ、重大災害の防止をはじめとする労働災害の防止の徹底に万全を期されるよう強く要諦する。


平成17年6月13日
厚生労働大臣 尾辻秀久